iruCanal、頼もしさと後悔と

iruCanal, the relief and regret

iruka用泥除け「iruCanalを発売する。


ずっと純正の泥除けがあった方がよいと思いながらなかなか開発に踏み切れずにいたが、昨年末に僕が販売店のライブ配信に飛び入りで登場した際に、視聴者から催促される形で作ることを約束したのだった。

 

 

泥除けが必要な状況は、実はそれほど頻繁ではない。路面が乾いていたらそもそも不要だし、路面が濡れていても雨が降っていたら多くのライダーは衣服の上に雨具を着るから(僕もそうだ)衣服への水跳ねを気にすることはない。つまり舗装路を走る限り、泥除けが必要なのは、雨上がりか、雨具の準備がない状態で雨に降られたときだけだ。
 
そこでiruCanalの開発には、水跳ねをガードする機能が十分であることに加えて、iruCartやiruCatchなど他のirukaの純正アクセサリと同様に「必要なときに簡単に取り付けられる/不要なとき・車体を折りたたむときに簡単に取り外せる」ということが必須要件となった。

開発の経過を詳しく書けばそれなりに興味深い話になると思うが、今日は完成した機構と使い方のみ紹介しよう。

パッケージの中には以下の部品が入っている。左上から、前輪用台座、同固定ボルト、後輪用台座、そして泥除けウイングが2本。前後とも台座を車体に組み付けておき、必要に応じてウイングを抜き挿しして使う。

 

 

前輪用台座をフォーククラウン裏に、後輪用台座をカプラーに取り付けるのにそれぞれM4とM5のアーレンキーが必要だが、ウイングの着脱は手で抜き挿しするだけだ。1秒かからない。

 




ウイングはPP(ポリプロピレン)製。PPの特性として、割れにくく、軽い。重量はわずか38gだ。泥除けが必要な状況に備えてバッグに常に忍ばせておいても、大した負担にはならないだろう。写真ではわかりにくいが、iruCanalのロゴが刻まれている。

 

 

前輪側はよいとして、後輪側はこの位置と形状で水跳ねを防げるのかと疑問に思う方もいるだろう。そこで実際に行ったテストの様子をご覧いただこう。
 
irukaをメンテナンススタンドにセットしてサドルからハンドルにかけて新聞紙を渡し、後輪の下に水を張ったトレイを置く。

 

 

この状態でペダルを回し、後輪が巻き上げた水が新聞紙にどれだけ付くかチェックする。

 

 

まず泥除けなしの場合。手前側を中心に、奥にかけてもかなりの量の水跳ねが確認できる。

 

 

次は後輪側のウイングを取り付けてみる。写真は試作品なので色が異なるが、長さは量産バージョンと同じである。

 


その結果がこちら。赤丸で囲んだ部分に一滴だけ跡がある以外はほぼ完璧に水跳ねを防げているのがわかる。

 

 

ただしシートポストにはいくつか水滴が付着していた。つまり羽根面より下の水跳ねは(多くはないものの)避けられない。iruCanalがあっても、雨上がりは白いパンツで出かけるのは避けた方が無難かもしれない。



発売前のある朝(2022年サッカーワールドカップの本戦で日本代表がクロアチア代表に敗れた翌朝だ)、起きるとちょうど雨が上がったばかりだった。路面は濡れていて、泥除けがあった方がよいコンディションだ。僕はirukaにiruCanalを取り付けて仕事場に向かった。到着して取り外してみると、ウイングの裏はびっしょりと濡れていた。

 

 

iruCanalが僕を水跳ねから守ってくれていたのだと頼もしく感じると同時に、もっと早く作っておけばよかったと少し後悔した。



小林正樹

株式会社イルカ 創業者/代表取締役

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